「断熱材」の役割や効果を知っておこう!
2019年06月20日
近年ではエコ住宅の普及に代表されるように、お住まいの断熱性能が重視されるようになっています。エコ住宅までいかなくても、快適な日常生活を送る上では屋内の気温が快適なレベルで維持されるのは、非常に重要です。夏場や冬場などの過酷な環境で日々を過ごすには、空調機能にすぐれたエアコンで対策をとるのが主流ですが、それと並んで重要なのは、断熱材の選択です。断熱材の役割や機能は何か、改めて考えると室内の温度に関係する程度の認識しかお持ちではないかもしれません。しかしそれ以外にも多彩な機能性を有しているのです。そこで馴染み深い存在でありながら、多機能な断熱材の役割や効果を御紹介してまいりましょう。
断熱材の役割を理解するうえで有益なのは、使用される機会の多い発泡スチロールになります。発泡スチロールは熱気も冷気も通しにくいので、魚つりのときに使用するクーラーボックスの素材に使用されています。外気の影響をうけないので、内部の温度を一定に保つ効果をもっています。この効果を活用して住宅の一般的な断熱材にも使用されることが多いわけです。壁面内部に発泡スチロールなどを設置することで、室内を一定の温度に保ちエアコンなどの空調効果も高める作用を発揮します。
室内の温度との関連で、冬場のヒートショックが警戒するべきリスクです。ヒートショックとは冬場に気温が低い状況で、いきなり入浴することで血圧が急上昇し意識を喪失したり脳卒中などを発症する現象のこと。断熱材をバスルームなどにも設置することで、ヒートショックの防止に役立ちます。
ところで断熱材そのものには、温度や湿度を調整する機能も有しています。冬場に灯油ストーブなどの水蒸気を大量に放出する暖房機器を利用すると、窓ガラスに結露することがよくあります。結露予防のポイントは室内と屋外の温度差を小さくすることにあります。断熱材には外気を遮断し室内の湿度も一定のレベルに調節するので、結露予防の機能も期待できるわけです。
また屋内には色々な種類のハウスダストが屋内の大気中に漂っています。ハウスダストとは、ホコリや各種の素材や生活用品から揮発する科学物質のことで、ハウスダストは体質によっては、アレルギー症状を引き起こしている場合がめずらしくありません。この点、断熱材には室内の湿度を一定のレベルに維持する機能があるので、室内の乾燥を防止しハウスダストが大量に舞い上がるコンディションを改善してくれます。