
マンションやアパートなどの集合住宅では構造上、何かと気を使いながら生活することを余儀なくされます。特に賃貸では防音構造などが安普請であることが多く、何気ない室内での移動が階下や隣人にとって騒音と認識されてトラブルになることも珍しくありません。分譲マンションではRC造などが採用されていますが、定期的に大規模修繕が必要になるので積立金を確保管理する必要に迫られます。
こういったマンションなどの集合住宅が抱える問題点が意識されて、従来から一軒家に居を構えることの根強いニーズがあるのは御承知のとおりです。一軒家とは木造や鉄筋造などの基本構造を採用した独立の居住用の建築物のことです。一軒家に住んだとしても隣人などの手前、好き放題に生活すると言うわけにはいきませんが、マンションやアパートのように迷惑にならないように、大きな清潔の制限を甘受する必要が無いのは大きなメリットです。
もっとも一軒家に居を構えるには、賃貸するスタイルと購入するスタイルの2つのカテゴリーのいずれかの選択に直面することになります。賃貸とは家主から賃借権の設定をうけて、毎月家賃の形で住居費用を支払いながら居住することです。敷金や礼金などが必要な場合が多いわけですが、購入する場合に比較すれば初期費用を抑えることが出来るだけでなく、故意や過失がない限り、作り付けの設備の修繕費用などは家主の負担になります。また所有者ではないので固定資産税などの税金コストも負担する必要がありません。しかしながら一軒家を賃貸で長期間居住を継続して家賃をどれほど支払っても資産にはならないのです。
これに対して一軒家を購入した場合には、初期費用が巨額に上るので住宅ローンを組むのが一般的です。住宅ローンを組むには頭金のための貯蓄も必要で修繕費用も、持ち家である以上自分で工面する必要があります。しかしながら住宅ローンを完済すれば、土地と建物という安定した価値を有する資産を確実に手にすることになるわけです。固定資産税などの固定費用は必要になるものの、住宅ローンを完済してしまえば基本的に住居費の工面に奔走することもなく、持ち家で自由なライフスタイルを実践することが出来ます。
住宅ローンを完済すれば、余剰分は貯蓄に回せるので、老後の生活を視野に入れれば、一軒家を購入することには大きなメリットを享受することが出来るのが明らかです。初期費用が嵩んでも一軒家は購入するべき理由は、このあたりに見出すことが出来るでしょう。